この記事を読むことで分かるメリットと結論
結論を先に言うと、弁護士費用は「通常、着手金は依頼時、報酬は成果発生時(和解・免責・過払い回収等)に支払うことが多い」が実務上の一般的な流れです。ただし事務所ごとにルールが違い、分割払い・着手金ゼロプランが使える場合もあります。本記事を読むと、着手金・報酬・実費の違いや支払タイミング、分割交渉のコツ、任意整理・個人再生・自己破産ごとの費用目安、そして依頼先選びの具体的判断材料まで一気にわかります。最終的には「費用負担を抑えつつ、最短で生活再建につなげる」判断ができるようになりますよ。
1. 債務整理の基本と費用の全体像を抑えるとこうなる
まずは土台固め。債務整理=借金問題を法的・私的に整理する手続き全般のことです。主な種類は任意整理、個人再生(民事再生)、自己破産の3つ。それぞれ手続きの目的や影響(信用情報、職業制限など)が異なりますが、弁護士費用の構造はだいたい共通しています。
- 費用の主な構成要素
- 着手金:弁護士が業務を開始するための前払的な料金。契約締結時に請求されるのが一般的。
- 報酬(成功報酬):結果に応じて支払う報酬。例えば過払い金回収時の歩合や、減額成功時の報酬など。
- 実費・諸経費:裁判所に払う予納金、郵送費、通信費、謄本取得費用、登記費用など。裁判所手続きが絡むほど増えます。
- 維持費(分割手数料等):事務所によっては分割払い手数料や振込手数料が別途かかる場合あり。
着手金の相場感(目安)
- 任意整理:1社あたり2万~5万円が多い(事務所により総額型や1社ごと料金の違いあり)。
- 個人再生:着手金30万~50万円程度(裁判対応のため相場が上がる傾向)。
- 自己破産:着手金20万~40万円程度(管財事件になればさらに実費が必要)。
報酬の相場感(目安)
- 任意整理:1社あたり2万~5万円(あるいは減額成功分の一定割合)。
- 過払い金:回収額の10%~20%程度の歩合をとる事務所がある。
- 個人再生・自己破産:成功報酬や免責確定後の支払割合で設定されることが多い。
どの費用が大きくなるか
- 書類作成や交渉のみの任意整理は比較的安価。
- 裁判所手続きが必要な個人再生、自己破産は実費や期間の長さで総額が大きくなる傾向。
体験談(私見)
私は相談窓口で何百件も費用相談を聞いてきました。実務でよくあるミスは「着手金の有無」だけを見て決めること。着手金が安くても成功報酬や実費が高ければ結果的に高くなることが多いです。契約前に総額イメージを逐一出してもらうのがコツです。
(上記の「目安」は一般的な実務観察に基づき説明しています。事務所ごとに差があるため、個別見積りが必須です。)
1-1. 債務整理の定義と主な種類(任意整理・個人再生・自己破産)
任意整理:債権者と直接または弁護士を通じて返済条件(利息カットや返済期間延長)を交渉する手続き。裁判所を使わないため手続きが早く、費用も比較的低め。信用情報には和解成立から5~7年程度の影響が出ることが多い。
個人再生(民事再生):裁判所を通じて住宅ローン特則を利用しつつ、借金を大幅に圧縮して分割返済する手続き。住宅を残せる「住宅ローン特則」が使えるケースがあるが、管財費用や報告書作成などで費用が高くなりやすい。
自己破産:裁判所で免責が認められれば借金がゼロになる最後の手段。ただし一定の職業制限や財産の処分が必要な場合があり、社会的影響や手続きの煩雑さがある。管財事件になると管財人費用(数十万円~)が上乗せされる。
(上記それぞれの手続き影響や期間は一般的な説明です。詳細は個別ケースで異なります。)
1-2. 費用の構成要素を一挙公開(着手金・報酬・実費・諸費用)
着手金
- 意味:弁護士が本格的に仕事を開始するための費用。事務所の基本料金。
- 支払いタイミング:契約締結時~事務開始直前。事務所によって分割を認めるところもある。
報酬(成功報酬)
- 意味:解決結果に基づく報酬。任意整理なら債権者との和解成立、過払い金なら回収後、個人再生・自己破産なら手続き完了後などに請求される。
- 支払いタイミング:成功時(和解書・判決・免責決定後)か、段階分割で中間報酬を取る事務所もある。
実費・諸経費
- 具体例:裁判所への予納金(再生・破産)、郵送費、郵便為替、登記費用、取寄せ公的書類の手数料、交通費など。
- 注意点:個人再生や破産で裁判所を使うと、実費がまとまって発生します。事務所提示の見積りに「何が含まれるか」を必ず確認して下さい。
その他
- 分割手数料、振込手数料、夜間対応手当など、事務所ごとの細かな項目があるので契約書で確認しましょう。
1-3. 着手金の実務的意味と相場感
着手金は弁護士にとって「業務開始の合意金」です。受任通知の発出、債権者調査、交渉の着手などに使われます。任意整理であれば「1社ごと」あるいは「案件ごと一律」の形があり、1社あたり数万円の設定が多いというのが業界の実感です。個人再生や自己破産は裁判所対応や書類作成の手間が増えるため、着手金が総じて高めです。
交渉のポイント:着手金がネックなら「着手金を抑えて、報酬で調整するプラン」や「初期費用ゼロで取り扱うが回収時の比率が高い」などの選択肢を交渉できます。ただし着手金をゼロにすると事務所側のリスク感が増すため、対応スピードや丁寧さに差が出る場合もある点は認識しましょう。
1-4. 報酬金・成功報酬の役割と支払いタイミング
報酬は「得られた利益に対する対価」です。任意整理なら減額分の一定割合、過払いなら回収額の歩合、個人再生や破産では手続き完了を基準に請求されることが多いです。多くの場合、弁護士は「和解書の交付」「過払い金回収の振込」「免責決定」などの証拠を受けて請求します。
支払い方法のバリエーション
- 一括払い:最もシンプルで請求時にまとめて支払う。
- 分割払い:事務所の了承が得られれば分割も可能。期間や利息は事務所次第。
- 成果連動型:着手金を低めにして、回収額に応じて高めの歩合を取るケース。
実務アドバイス:報酬の請求時期を契約時に明確にし、万一支払いができない場合の取り扱い(分割可否、遅延時の扱い)を契約書に書いてもらいましょう。
1-5. 実費・諸費用の具体例と注意点
実費は事務所が先行して立て替えるケースが多く、後で依頼者に請求されます。代表的な実費例:
- 裁判所への予納金(個人再生、自己破産で必要)
- 官公署での書類取得費用(戸籍謄本、住民票、登記事項証明書など)
- 郵送・謄写・印紙代
- 交通費・出張費(遠方だと高くなる)
- 債権者調査にかかる費用(信用情報の照会や債権者への取材)
注意点:見積りに「実費別途」とある場合、どの程度の金額が想定されるか具体的に聞きましょう。特に破産事件で「管財人費用」が必要になると、数十万円の負担が発生します(事案による)。
1-6. どの費用が大きくなるケースが多いか
- 期間が長引く、債権者が多数、裁判所手続きが必要:総額が上がりやすい。
- 過払い金回収の成功が期待できるケース:報酬は回収額の割合になるため、回収額が大きいと手数料も大きくなるが、依頼者の手取りも大きくなる。
- 破産で管財事件になった場合:管財人費用(概ね数十万円)や追加の実費が一気に発生する。
1-7. 体験談:費用の見積もりと折衝で学んだ教訓
実務経験からの教訓は「総額イメージを作ることが何より重要」。ある相談者は「着手金が安い事務所」を選びましたが、最終的な請求が思ったより高く、再交渉の手間で心身ともに疲れたというケースがありました。逆に、初めに総額見積もりを3社で比較して決めた別の方は、手続き中の追加請求が少なく安心して任せられたと喜んでいました。結論:契約前に「着手金・報酬・実費の総額目安」「分割可否」「追加費用の想定」を書面で確認しましょう。
2. いつ払うべきかのタイミングと実務のコツ
ここでは実際にいつ払うのか、支払いフローを段階ごとに解説します。弁護士に頼むときは「いつ、何を払うか」をはっきりさせておくと安心です。
2-1. 着手金の支払いタイミングと実務的な流れ
一般的な流れ
1. 初回相談(無料・有料は事務所次第)で概算見積りをもらう
2. 委任契約締結時に着手金の請求(全額または一部)
3. 受任通知の送付、債権者対応開始
支払い方法の工夫
- 着手金の分割交渉:事務所によっては分割可能。事情を正直に話すと柔軟な対応をしてくれることが多いです。
- 着手金免除プラン:過払い金回収で成功報酬から充当する仕組みを提供する事務所もあります。ただし契約内容をよく読み、「成功しなかったときの費用負担」は必ず確認。
実務コツ:契約書に「着手金不払時の対応(業務停止になるか)」「分割条件」を書いてもらいましょう。
2-2. 報酬の支払い時期と、成果が出るまでの想定期間
報酬の請求タイミング例
- 任意整理:和解成立後に請求。和解成立まで数週間~数ヶ月。
- 過払い金:回収完了後(入金確認後)に請求。回収完了まで数ヶ月~半年以上かかることも。
- 個人再生・自己破産:免責決定や再生計画認可後に請求。裁判所手続きのため6ヶ月~1年程度かかるケースあり。
注意点:事務所によって「中間報酬」を設定していることがあるので、これも事前確認が必要です。
2-3. 実費・諸費用の支払いタイミングと目安
- 裁判所予納金:申立て直前や申立て時に必要。
- 取得書類(戸籍、住民票等):請求時に逐一実費請求される。
- 事務所立替分:事務所が一旦立て替え、月次や解決時にまとめて精算されることが多い。
目安として、個人再生や破産の申立て前に「数万円~十数万円」の実費が想定されますが、管財事件や難解な案件だと上振れします。
2-4. 初回相談時の費用見積もりの読み方
初回相談は「無料」の場合も多いですが、有料の事務所もあります。初回で確認すべきポイント:
- 着手金の有無・金額
- 成功報酬の基準(和解成立時、回収金額に対する割合)
- 実費の想定額(裁判所予納金、管財費用の可能性)
- 支払い方法(分割可否、振込か現金か)
- 契約書のサンプルを見せてもらえるか
実務アドバイス:見積りは口頭だけで済ませず、メールや書面で金額感を残してもらうとトラブルを避けられます。
2-5. 分割払いの可否と交渉のコツ
分割払いは事務所によって対応がまちまち。交渉のコツは次の通り。
- 正直に現在の資金状況を説明する(収入・支出の状況、緊急度)。
- 支払可能な最低限の金額と期間を提示して落としどころを作る。
- 過払い金回収が見込める場合は「回収時の支払」で合意するプランを提案する。
- 分割条件(回数、利息、遅延時の扱い)を明文化して契約する。
現実的には、長期の分割(1年以上)を受け入れる事務所は少ないですが、事情次第で柔軟な譲歩をしてくれる場合があります。
2-6. 費用滞納のリスクと法的影響
費用滞納が続くと:
- 事務所が業務提供を停止する可能性(契約書に記載されている場合が多い)。
- 和解交渉や裁判手続きを止められると、債権者対応が滞り、差押えなどのリスクが増える。
- 最悪の場合、弁護士側が契約解除し、依頼者が自ら対応しなければならなくなることも。
対策:支払いが厳しくなったら速やかに事務所に相談して、分割や支払猶予の交渉を行いましょう。
2-7. 実務でよくあるトラブルと回避策
よくあるトラブル
- 見積りと請求が大きく違う(実費の上振れなど)。
- 契約書に不明点が多く、後で追加請求が発生する。
- 分割条件が口約束で契約書にない。
回避策
- 契約前に「見積り明細(項目別)」を要求する。
- 分割に応じてもらう場合は回数・利息・遅延時対応を明文化。
- 追加費用が発生する可能性がある項目(管財事件、遠隔地調査等)を事前に確認する。
3. ケース別の費用目安と比較のポイント
ここでは任意整理・個人再生・自己破産ごとに、現実的な費用目安と支払いの感覚を説明します。数字は事務所によって差があるため「目安」としてご覧ください。
3-1. 任意整理の費用目安と支払いの現実感
任意整理は最も早く低コストで済むことが多い手続きです。一般的な料金形態は
- 着手金:債権者1社あたり2万~5万円(事務所によっては案件一括で数十万円提示)
- 報酬:和解成立1件あたり数万円、または減額分の一部
- 実費:郵送費、信用情報照会費等で数千円~数万円
実務感触:債権者が数社だと総費用は比較的抑えられます。分割交渉の成功で将来の支払い負担を軽減できるため、着手金が払えるなら早めの依頼が得策です。
(注:ここでの金額はあくまで一般的な目安です)
3-2. 個人再生の費用の特徴と金額感
個人再生は裁判所を使うため書類作成や裁判所対応に手間がかかります。
- 着手金:概ね30万~50万円が相場感(事務所差あり)
- 成功報酬:手続き完了後に別途請求されることが多い
- 実費:裁判所予納金、官報掲載費、再生委員報酬(ケースにより)などで十数万円~
実務感触:住宅ローン特則を使って家を残せる場合はメリット大。ただし費用負担も大きいので、事前に総額見積もりを取り、分割や法テラス等の支援が使えないか確認しましょう。
3-3. 自己破産の費用の実情と流れ
自己破産は事案により「同時廃止」か「管財事件」に分かれます。管財事件だと管財人費用が必要です。
- 着手金:20万~40万円程度が一般的な目安
- 管財費用:管財事件の場合、数十万円の予納金が必要になることがある(事案による)
- 実費:官報掲載費、裁判所手数料、書類取得費など
実務感触:資産がほとんどない人は同時廃止で進むことが多く、総費用も低め。資産処分が必要な管財事件は費用も期間も増えるため、初回相談で事務所に「同時廃止の見込みか否か」を確認しましょう。
3-4. 総額の内訳と、費用が変わる要因
費用総額に影響する主な要因:
- 債権者数:多いほど調査・交渉工数が増える
- 裁判所利用の有無:裁判所手続きを使うと実費が増える
- 過払い金の有無:回収が見込めると着手金を抑えられるプランが使えることも
- 地域差:都市部と地方で事務所の料金設定に差が出ることがある
- 事務所の方針:着手金重視型か報酬重視型かで請求タイミングが変わる
3-5. 費用を抑える工夫(見積もり比較、無料相談の活用、事務所の選定基準)
実践的な費用節約法
- 無料相談を複数活用して総額イメージを比較する
- 着手金ゼロや過払い回収で成功報酬充当のプランを検討(ただし成功しない場合のリスクを確認)
- 地方の事務所や法テラスの窓口も比較検討する
- 自分で書類をある程度準備し、事務所の作業工数を減らす(ただし専門的な判断は弁護士に任せる)
3-6. ケース別の期間感と、費用回収の見通し
- 任意整理:交渉→和解まで1~6か月程度。過払い金が大きければ回収後に報酬支払いでプラスに転じる可能性あり。
- 個人再生・自己破産:6か月~1年程度が目安。裁判所の手続きを踏むため時間がかかる。
- 費用回収(費用対効果)の見通しはケースバイケース。例えば過払い金が大量に戻れば、実質自己負担が軽くなることがあります。
3-7. 実際の費用比較の注意点(地域差・業務内容の違い・追加費用)
- 地域差:大都市の事務所は相場が高めの傾向あり。
- 業務範囲の違い:「受任通知発送のみ」「支払条件交渉」「裁判対応含む」などで金額は変わる。
- 追加費用:和解が成立しても記録の修正や追加交渉が必要なら追加費用が生じる可能性あり。
4. 費用を抑える実践的な方法と準備
ここは「すぐ使える」行動リストです。準備をしっかりすれば弁護士費用も総額を抑えられます。
4-1. 無料相談の活用と相談前の準備リスト
無料相談を上手に使うコツ:
- 事前準備:借入先一覧(会社名・借入額・最終取引日)、給与明細(直近2~3か月分)、通帳やカード利用履歴、本人確認書類を用意。
- 目的を明確に:「早く和解して生活を整えたい」「住宅を残したい」など優先順位を伝える。
- 受けたい情報:見積りの総額、着手金の有無、分割可否、手続き期間の目安。
4-2. 複数事務所の見積もりを比較するコツ
- 同じ条件で見積もりを取る(同じ債権者情報を提示する)。
- 「着手金」「報酬」「実費」「分割条件」を項目別に比較する。
- 書面での見積りをもらい、口頭だけで決めない。
4-3. 分割払い・分割条件の交渉ポイント
- 支払可能な月額を先に決めて提示する。
- 支払い期間(回数)は短すぎず長すぎず、事務所が受け入れやすい範囲で交渉する(例:6回~12回)。
- 分割に伴う手数料や利息の有無を確認する。
4-4. 依頼先の選び方:信頼性・実績・費用のバランス
ポイント
- 実績の確認:同種の案件の取り扱い実績があるか。
- レスポンス:問い合わせや説明が丁寧か。
- 契約書:費用や支払い条件が明確に書かれているか。
- 地元での評判:口コミや複数の紹介者の意見を参考にする。
実務の裏話:大手事務所は個人の債務整理を受けないこともあります。個人の債務整理を得意とする中堅・専門事務所は、細かな交渉や分割対応が柔軟なことが多いです。
4-5. 費用を抑えつつ成果を上げる準備(資料整理・事実関係の整理)
- 債務の一覧をExcelや紙で作る(借入先、残高、最終取引日、利率)。
- 自分で取れる公的書類を先に取り寄せておく(住民票、収入証明など)。
- 支払い履歴や貸金業者の連絡記録を保存し、提示できるようにする。
これにより弁護士の作業時間が減り、結果的に費用削減につながることがあります。
4-6. 着手金の有無と、着手金ゼロプランの実態
着手金ゼロプランは魅力的ですが留意点があります。
- メリット:初期負担がゼロで依頼しやすい。
- デメリット:成功報酬の割合が高く設定される場合がある。成功しないと事務所が損をするため、対応に差が出るリスクもゼロではない。
- 実務上の判断:過払い金回収見込みが高い場合は有効ですが、回収可能性が低い場合は出費が増える可能性あり。
4-7. 実務経験から学ぶ、費用交渉の成功例と失敗例
成功例:ある依頼者は着手金を分割で支払うことで交渉に成功し、和解成立後の報酬も期日どおり支払ってもらえた。事務所も継続的に対応してくれ、生活再建が早まった。
失敗例:別の方は着手金無料の業者を選んだが、和解に時間がかかり中間報酬や追加実費が発生。結果として総支払額が当初見積りより大きくなった。
教訓:目先の「安さ」より「総額」と「事務所の信頼性」を重視すること。
5. 実在の弁護士事務所を例に見る費用感の実務比較
以下では、代表的な大手法律事務所の特徴と「一般的な対応の傾向」を紹介します。事務所ごとの具体的な料金は変動するため、最新の公式情報を確認することを強く推奨します(最後に参照元をまとめて記載します)。
注:以下は各事務所の「業務の特徴」と「傾向」に関する説明で、具体的な金額は公式サイトや個別相談でご確認ください。
5-1. 森・濱田松本法律事務所(Mori Hamada & Matsumoto)の特徴
特徴:国内外の企業案件で大規模な実績を持つ総合法律事務所です。個人の債務整理を一般的に前面に出している事務所ではないため、個人向けの標準メニューは限られることがあります。個別案件では高い専門性と幅広いネットワークを期待できますが、料金体系は案件ごとに個別見積りになることが多いです。
5-2. 西村あさひ法律事務所(Nishimura & Asahi)の費用構成と対応の傾向
特徴:商事・企業法務に強く、個人債務整理業務は扱いが限定的な場合があります。大規模で複雑な財務再建や事業再生の案件には強みがあります。個人向けの一般的な債務整理は、個別に相談して対応可否や費用見積もりが提示されることが多いです。
5-3. 長島・大野・常松法律事務所(Nagashima Ohno & Tsunematsu)の費用レンジと顧客対応
特徴:こちらも大手事務所で、企業向けの業務が中心。個人の債務整理については、事情に応じて個別に対応するケースが多く、費用もオーダーメイドとなることが一般的です。地方の個人対応型事務所に比べると対応の柔軟性は案件によって異なります。
5-4. アンダーソン・毛利・友常法律事務所(Anderson Mori & Tomotsune)の分割払いと初回相談
特徴:国際案件、企業法務で著名な事務所。個人債務整理の標準パッケージを示していることは少なく、個別相談による見積もりが基本的な流れです。分割払いの可否や条件は担当弁護士や案件の性質で変わるため、事前に確認が必要です。
5-5. 弁護士法人ベリーベスト法律事務所(ベリーベスト)の費用目安とサービスの違い
特徴:個人債務整理を積極的に扱う中堅~大手の事務所で、ホームページに比較的具体的な料金目安を掲載しているところが多いです。任意整理や自己破産、過払い金請求の実績が豊富で、分割払いや着手金ゼロプランを提示する場合もあるため、個人向けのニーズに応じやすい傾向があります。
(注)上記の各事務所の説明は「業務の傾向」をまとめたもので、個別の費用表現は事務所公式サイトで必ず確認してください。具体的な料金交渉や分割条件は、事務所との面談で確定します。
5-6. 実務で役立つ費用比較のポイント(地域差・着手金・成功報酬の取り扱い)
費用比較で見るべきポイント
- 公開されている料金表の有無:公開している事務所は透明性が高い傾向。
- 着手金の計算方法(1社ごと or 案件一括)。
- 成功報酬の算定基準(回収額の何%、和解1件あたりなど)。
- 実費の扱い(立替払いか、あらかじめ予納されるのか)。
5-7. 事務所選定の実務的チェックリストと、費用以外の判断材料
チェックリスト
- 同種案件の取り扱い実績はあるか
- 対応の早さ、連絡頻度はどうか
- 契約書の明瞭さ(費用項目ごとに明記されているか)
- 分割や特別プランの有無
- 面談での説明が納得できるか
費用以外の判断材料も重要(信頼性、対応スピード、担当弁護士の人柄など)。特に債務整理は生活再建につながる手続きなので、信頼できる事務所を選ぶことが最優先です。
FAQ:よくある質問と答え
Q1. 「弁護士費用は後払いでいいですか?」
A1. 場合によります。着手金は契約時に求められることが多く、報酬は成果時に請求されます。分割払いを認める事務所もあるので、事前に相談しましょう。
Q2. 「法テラスは使えますか?」
A2. 収入や資産の条件を満たせば法テラス(日本司法支援センター)の民事法律扶助が利用でき、一定の費用助成や分割が受けられます。該当かどうかは法テラスの窓口で確認してください。
Q3. 「着手金ゼロなら絶対お得ですか?」
A3. 着手金ゼロは初期負担がない点は魅力ですが、成功報酬の割合や追加実費で結局高くなる場合もあります。契約内容をよく確認しましょう。
Q4. 「分割払いで弁護士に依頼したら債権者にばれますか?」
A4. 分割払いは弁護士との支払条件であり、債権者に直接知らせることはありません。ただし弁護士が債権者と交渉する過程で受任通知を出すと、債権者側には依頼の事実は伝わります(これは債権者対応を止めさせるために必要な措置です)。
Q5. 「相場がわからないと不安。見積もりは何社取ればいいですか?」
A5. 2~3社の見積もりを比較するのが現実的です。比較の際は、同じ条件で「総額イメージ」を出してもらうことを忘れずに。
最終セクション: まとめ
- 結論:弁護士費用は「着手金は依頼時、報酬は成果時」に請求されるのが一般的。ただし事務所ごとに差があるため、契約前に総額の見積りを取ることが必須です。
- 分割や着手金ゼロプランは選択肢として有効ですが、契約内容(成功報酬の割合や追加実費)をよく確認しましょう。
- 任意整理は比較的費用が抑えやすく早期解決が期待され、個人再生・自己破産は裁判所手続きが絡むため費用・期間ともに長くなりやすいです。
- 依頼先選びは「費用の安さだけでなく、実績・対応・透明性」を重視してください。見積もりは必ず書面で受け取り、分割条件や追加費用の条件を明確にして契約を結びましょう。
最後に一言:迷っているならまずは無料相談(または低額相談)を使って見積もりを取り、複数の事務所で比較することをおすすめします。早めに動くことで生活再建の選択肢が増えますよ。
債務整理で住宅ローンはどうなる?任意整理・個人再生・自己破産の影響をわかりやすく比較
出典(公式情報・参考資料)
- 日本司法支援センター(法テラス)公式サイト(民事法律扶助に関する案内)
- 日本弁護士連合会(弁護士に関する一般的ガイドライン)
- 弁護士ドットコム(債務整理・費用に関する解説ページ)
- 法務省(民事・破産関連の一般統計や制度説明)
- 各法律事務所公式サイト(Mori Hamada & Matsumoto、Nishimura & Asahi、Nagashima Ohno & Tsunematsu、Anderson Mori & Tomotsune、弁護士法人ベリーベスト法律事務所)の業務紹介ページおよび費用案内(各事務所の最新の公式情報で必ず確認してください)
(注)本記事内の金額は「一般的な目安・実務上の観察」に基づく説明です。事務所ごとに料金体系は異なり、最新の正確な金額は必ず各事務所の公式ページまたは面談でご確認ください。